投稿者特定のための弁護士費用を投稿者に負担させることはできないでしょうか?
投稿者を特定するためには基本的に裁判所の手続きを要することから弁護士に依頼される方が大半です。そして、弁護士に依頼すれば着手金方式や成功報酬方式いずれにしても請求を行う方が弁護士費用を負担する必要があります。
しかし、被害者である請求者がこれら費用を最終的に負担しなければならないとすることは公平ではないと感じます。そこで、投稿者に対してこれら弁護士費用も慰謝料等と併せて請求する試みがこれまで多くなされています。
投稿者に弁護士費用負担を命じた裁判例
損害賠償請求を求めた裁判例のなかには投稿者に投稿者を特定するために要した弁護士費用の負担を命じたものも数多く存在します。
代表的な裁判例として、東京地方裁判所平成24年1月31日(判例時報2154号80頁)、東京高等裁判所平成27年5月27日(判例集未登載)、東京高等裁判所平成27年8月20日(判例集未登載)などが存在します。
もっとも、特定請求を行った投稿が複数であるケースや投稿者特定を行う手続の過程で複数の投稿者が判明したケースでは1名の投稿者に弁護士費用全額を請求することができるのかといった理論的な問題がなお残っています。
投稿者が無資力の場合
裁判所が投稿者に弁護士費用を含む損害賠償請求を認めた場合でも、投稿者が経済的に困窮しており無資力の場合には事実上回収を行うことができないケースもあります。また、無資力ではないとしても巧妙に財産隠しを行っているもケース存在します。
当事務所では投稿者を特定後の損害賠償請求についても合意の取り付け方や財産調査のノウハウを生かし極力泣き寝入りとならないようアドバイスを行っております。