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従業員がSNSで顧客の個人情報をつぶやいてしまったケース

  • 執筆者:弁護士松本 紘明

従業員が顧客の購買履歴をSNSで発信!

A社様は物品の販売を対面で行っている企業ですが、ある日突然お客様から、購入した商品のことで自分のことがインターネットのSNSに投稿されているという連絡が入りました。内容を確認したところ、確かにお客様ご本人にとってみれば誰のことを指しているのか一目瞭然の内容でした。

対処方法

A社様のケースではすでにお客様ご自身が情報を発見し会社に連絡を入れてきている状況でしたので、その場で謝罪を行うとともにこの情報の削除を可及的速やかに行うことを約束しました。

会社内で調査を行い、購買履歴等から従業員を割り出し、直ちにSNSへの投稿を削除させることができました。お客様も情報が削除されたことでそれ以上のことはお求めになられませんでした。

もっとも、投稿を行った従業員が不明で削除対応できないケースや、会社の宣伝として第三者には特定の個人と判別できないよう情報を加工して公表したにもかからわず高額の金銭を要求されるケースなど、お客様からの指摘があったとしてもどのように対応すべきか慎重に検討を要するケースもあります。このような場合には顧客対応及び削除請求をどのような権利に基づき行っていくのかといった専門的見地からの検討が必要になりますので弁護士に相談する方が万全です。

従業員のリテラシー教育が重要

A社様のケースは、従業員が個人的に興味のあった商品を購入した顧客情報を個人的に利用しているSNSで安易に投稿してしまったという典型的なケースでした。従業員が個人的に利用しているSNSであったとしても、最近は商品の固有名称をリアルタイム検索すればその商品名を含んだSNSの投稿が網羅的に検索できるシステムもあり想定以上に情報が拡散しているケースも多々あります。

結論として、このようなトラブルを防止するためには日頃から従業員にSNSの使用方法についてリテラシーを高める教育を会社として実施しておく必要があります。A社様は今回の教訓を生かし会社にSNSの利用ポリシーを策定するとともに従業員向けセミナーを実施されました。

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