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投稿者に発信者情報開示請求が伝わるタイミング2パターン

  • 執筆者:弁護士柴田佳佑

投稿者も発信者情報開示請求の手続を知ることができる

投稿者を突き止める発信者情報開示の手続は,サイト管理者やプロバイダを相手に行われます。

そのため,投稿者本人は直接発信者情報開示手続に関わりませんが,次のようなタイミングで発信者情報開示の手続がされている(た)ことを知ります。

知るタイミングその1 サイト管理者からの連絡

誹謗中傷を受けた場合は,まず,サイト管理者に対してIPアドレス等の情報の開示を請求するのが一般的です。

そして,プロバイダ責任制限法では,プロバイダ等が発信者情報開示請求を受けたときには,原則として発信者に意見を聞かなければならない(「意見照会」といいます。),と規定されています。

そこで,IPアドレス等の開示請求を受けたサイト管理者が,投稿者に対し「開示をしてもいいか」と連絡をすることがあります。

この連絡を投稿者が受け取れば,発信者情報開示請求を知ることになります。

なお削除依頼の場合も次のような手続きで意見照会が行われることがあります。

しかし,このサイト管理者からの意見照会は,サイト管理者が投稿者の連絡先を知っていなければ不可能です。
匿名掲示板のようなサイトでしたら連絡を取ることはできません。投稿に登録が必要な口コミサイト等でしたら連絡先を知っていることもありますが,この場合でもメールアドレスくらいしか把握していないことが多いようです。

したがいまして,サイト管理者から投稿者へ連絡がいって発信者情報開示請求を知るということはさほど多くなく,大半の投稿者は次のプロバイダからの連絡で知ることになります。

知るタイミングその2 プロバイダからの連絡

サイト管理者からIPアドレス等の情報の開示を受けたら,この情報を基にプロバイダに対して発信者情報開示請求をします。

プロバイダは投稿者とプロバイダ契約を締結していますので,投稿者の連絡先を知っています。そのため,高い確率で意見照会がされています。

実際には,「発信者情報開示に係る意見照会書」という用紙を使って郵送で照会をしているようです。

こちらは連絡先を知っているプロバイダから照会が来ますので,投稿者の多くが発信者情報開示手続を知ります。

 

知るタイミングその3 開示を受けた被害者からの連絡

プロバイダに伝えている連絡先が変わったり,郵便物も読まずに捨ててしまったりしている場合ですと,投稿者が発信者情報開示手続のことを知らないこともあります。このような場合は,発信者情報の開示を受けた被害者から連絡を受けて,初めて特定がされていたと知ることになります。

投稿者が発信者情報開示請求を知るだけも抑止力に

意見照会を受けると投稿者は相当驚くようで,それまでの誹謗中傷がピタッと止んだり投稿が消えたりすることがしばしばあります。

そこで,誹謗中傷が継続しているような場合は,意見照会が早く届くような手続を組んでいくことも重要なポイントになってきます。

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