sakujo.jp

不動産業者様向け風評被害対策

  • 執筆者:弁護士松本 紘明

不動産業界に関係する口コミサイト

最近は一般的な掲示板サイトだけでなく、不動産業者に特化した消費者向け口コミサイトも増加しています。口コミサイトでは不動産業者の営業活動方法や接客対応が実際に契約や相談をした消費者目線で口コミ投稿されています。

このような掲示板以外にも注意すべきなのは一般的な企業同様、転職者向けサイトです。

口コミサイトに事実無根の投稿があれば、賃借希望者や不動産オーナーから契約や管理委託を回避され売上げ低下につながります。また、入社を希望する従業員の減少や現在所属している従業員に対する悪影響もあります。

不動産業者に対するネガティブな口コミ

これまでにご相談頂いた投稿の例を挙げると、「おとり広告を出している」、「営業マンが長時間居座って帰らない」などの内容がありました。

「おとり広告」は法律上禁止されている行為であり罰則の定めもあります。会社の信用を低下させることは明らかですのでこのような事実がないことを理由に名誉毀損として対処することが可能です。また、営業マンの不当な活動を推認させる投稿も従業員の証言をまとめた証拠を提出する等の方法で対応することが可能です。

これ以外にも「ブラック」、「残業代が支払われない」、「ノルマを達成できない場合暴言をはかれる」、「長時間労働が常態化している」などの労務環境に関する口コミや「反社会的勢力と関係」、「従業員と不倫をしている」など経営者や経営陣に対する個人攻撃的な口コミのご相談をお受けすることもあります。就業規則や代表者様の意見書などを提出することで対処は可能です。

不動産業者向け風評被害対策

一般的には口コミの内容を見極めどのようなものでも対処を行うというよりは、ステークホルダーに影響のある口コミに絞って対策を行うことをお勧めします。もっとも、日々大量の消費者と取引が発生し、インターネット検索によって評判を確認されがちで風評被害の影響が大きい特殊性を考慮すると、一般的な業界よりもネガティブな投稿は早めかつ広めに対策を行うべきです。

また、「反社会的勢力」や「おとり広告を出している」等、投稿された内容が会社の存亡に関わるもの、法律違反を犯していることを示唆するもの、また、同一人物が繰り返し投稿を行っていることが疑われるもの、競業他社の可能性が疑われるものについては削除請求だけでなく投稿者を特定する手続まで行うべきです。

関連記事

TOP