ネットリテラシー教育に関して記事をアップしてから早約2年…月日が経つのは早いものです。
未成年者向けのネットリテラシー教育については学校現場でも喫緊の課題となっているようで、前回の記事アップ後、都立高校からお声がけいただき、2018年,2019年と毎年,インターネットに関連した様々な問題を取り上げた講演を実施いたしました。
学校講演のタイトルとしては,「インターネットの危険性~被害者にも加害者にもならないために~」と題し,生徒たちがやってしまいがちな,あるいは遭遇してしまいがちな事例を取り上げ,インターネット利用の危険性を伝え,適切な利用を促すような内容といたしました。
前回の埼玉県内の高校での講演では,消費者問題全般であったため,インターネット上の問題についてはあまりお話しできませんでしたが,今回のものはインターネット上の問題中心でしたので,まさにネットリテラシー教育の一環として,様々なお話ができたと感じております。
本年度(2019年度)に実施した講演の資料を参考までに共有させていただきます。
まずはインターネット上の問題とは何なのか,その危険性は何なのかを少しでも知ってもらうことが大切
学校側のご担当者様からお話を伺うと,子どもたちは,インターネット利用に関して危険性を意識できていないようで,どういう被害にあうのかなどの具体的なイメージもわかず,実感がないように感じました。
そこで,基本的なスタンスとしては,インターネット上の危険性(犯罪被害者にも加害者にもなってしまうことなど)を伝えつつ,その予防や対策を説明し,世の中で起きている出来事を少しでも知ってもらうことを重視しました。
そして,子どもたちに少しでも知識を得てもらい,被害者にも加害者にもならないようにしてほしいという思いで,講演を行いました。
具体的な項目としては下記内容を取り扱いました。
『被害者にならないために』
- 私生活上の写真の投稿の危険性
- 自撮りの危険性
- 「SNS上の知り合い」と会うことの危険性
- 「リベンジポルノ」
- 「家出ツイート」の危険性
『加害者にならないために』
子どもたちだけではなく,保護者へも伝えていかなければならない
上記のように,子どもたちに色々伝えようと思うとついつい盛沢山になってしまいますが,全てを伝え切れるとは思っていません。
なるべく緩急をつけて,また子どもたちが興味を持ちそうな話も盛り込みながら,どれか一つだけでも情報を持って帰ってくれればいいなという思いで講演をしています。
1年目よりも2年目の時の方が,説明資料の画像を工夫したり,子どもたちが好きそうな直近の話題を取り扱ったりしたため,子どもたちの反応も良かったとは思っています(私だけが感じているかもしれません)。
しかし,どうしても難しい話になってしまうところがあり,そのあたりは伝わってないだろうなという感覚もあり,更なる研鑽を積まないといけないなと感じています。
また,学校での講演を経験したことで,子どもたちを守るためには,保護者の協力が必要であるとも痛感しております。
子どもたちだけでは危険を避けること,危険から身を守ることに限界があるからです。
しかし,現状,保護者もインターネット上のトラブルに関して知識が不足しており,何が問題になるのか,どうしたらよいのか知らない方が多数であると思います。
そのため,まだ数回しか学校での講演は経験しておりませんが,子どもたちだけでなく,保護者に向けたネットリテラシー教育ということも重要であると感じております。
どう伝えていくべきか,子どもたちとは異なる配慮が必要であると思いますが,今後機会があれば積極的に行っていきたいと考えております。