多数の批判・非難が集中してしまう「ネット炎上」という現象があります。炎上が悪化し、ネットだけにとどまらず実際に苦情の電話が多発し通常業務も立ち行かないという最悪事態にまで発展してしまうことも珍しくありません。
ネット炎上の防止や鎮火には、ネット炎上につながる「火種」を早期に把握し、できるだけ早い段階で対処方法を立案することが非常に重要です。
「火種」を早期に発見するためには、ネットの状況や情報を常時リアルタイムで監視してゆくことが必要となりますが、本格的にやろうとすると手間も費用も掛かります。そこで、今回は、費用をかけずに簡単にネット常時監視体制を構築できる一つの方法として、「Googleアラート」を用いた方法をご紹介いたします。
Googleアラートって何?
Googleアラートは、検索エンジンGoogleの機能で、設定した特定のキーワードに関する検索結果が見つかった時、新たに発生した時にそれをメール通知してくれるサービスです。
ネット上のすべてのデータを網羅しているわけではありませんが、膨大なGoogleの検索結果を元にしているため、簡易的な常時ネット監視システムとして利用することも可能です。
利用にはGoogleアカウントが必要となりますが、Googleアカウントさえあれば無料で利用できます。まずは費用をかけずにネット監視を始めてみようという企業や、これまで人力でひたすら検索していた企業にはおすすめのサービスです。
炎上の火種を発見するための設定方法
設定マニュアル
では、Googleアラートの設定方法を説明しましょう。なお、事前にGoogleアカウントは取得しておいてください。アカウントの取得は完了している前提で解説します。
- 設定画面へアクセス
- キーワード設定
- その他配信頻度等のオプション条件の設定
まずはGoogleアラートの設定画面にアクセスしてください。
URLはこちらです。⇒Googleアラート
次に、検索の対象となるキーワードを設定します。
この「アラートを作成」と表示されている箇所にキーワードを入力してください。
キーワード設定のコツは後ほど解説いたしますので、ひとまず会社名を入れていただき、先に進みましょう。
キーワードを入力すると、アラートを作成のボタンが出てきますので、これをクリックすればアラート作成完了です。
その後、作成したアラートの編集ボタンをクリックすることで、配信頻度や監視してゆくサイトの種類(ソース)などを設定可能です。
頻度は、設定したキーワードによりヒットする件数が大きく変わるため、どの程度の件数になるかにもよりますが、基本的には「1日1回以下」をお勧めいたします。
キーワード設定のコツ
どのような情報を取得しに行くか
取得すべき情報としては、
[aside type=”normal”]
- 会社そのものに関するもの
- 代表者、役員に関するもの
- 商品・サービスに関するもの
[/aside]
この3つが基本になります。
情報をまんべんなく収集するコツ
会社名や代表者氏名をそのままキーワードとして設定するのはまず当然として、それだけではすべての情報を網羅的に拾うことはできません。
伏字や当て字などネット特有の書き方もありますので、その辺も想定して設定をしてゆきます。
特に、「従業員が、自分の会社(社長)のことをなんと呼んでいるか?」という観点から設定することで、社内発の情報を把握しやすくなりますのでお勧めです。
また、批判的な記事の中で、自社ウェブサイトやSNSにリンクが設定されることも多くあります。このような記事を拾うために、ウェブサイトやSNSのURLも検索キーワードとして設定しましょう。
ノイズを除去するコツ
多くのキーワードを設定してゆくと、配信される件数も増え、アラートをさばききれなくなってしまうこともあります。また、同名の企業など関係のない情報が配信されてしまうケースもあるでしょう。
アラートが多すぎてメールをちゃんと見ないようになってしまっては、本末転倒です。
このような時は、「””」でキーワードを囲って全文一致とする、AND検索、NOT検索などを組み合わせてゆくなどの工夫をして、ちょうどよい範囲に調整をしてください。
より本格的な監視サービスやコンサルティングはご相談ください
Googleアラートを利用した簡易な監視体制の設定についてご紹介いたしましたが、より高度な監視体制を敷く場合には、有料のツールの利用を検討することになります。
当事務所では、主に上場企業で利用されているモニタリングツールを導入しており、ツールの提供や、ツールを利用した監視代行サービスも提供しております。
詳しい内容についてはお問い合わせください。
また、炎上の火種が発見されたときにどのように動くべきか、また動かざるべきかという判断は専門的であり、現場の方にとっては非常に悩ましい問題です。
その場では最適な判断であったとしても、事後的な視点で検討した結果、判断ミスだったと言われてしまうこともあります。
このようなコンサルティングについても対応可能ですので、お悩みがあればお気軽にご相談ください。