ネットリテラシー

子を持つ親のSNS利用上の注意点

  • 執筆者:弁護士船越雄一

TwitterやFacebookなどのSNSは、多くの方が日常で使っており、ほぼ毎日更新している方も多いのではないかと思います。そして、簡単にアクセスができ、更新もできてしまうため、何も考えずにいろいろなものを投稿してしまう方も非常に多いという印象を受けています。

最近でもまだ問題となっていますが、SNS上で店舗に迷惑のかかる動画を投稿したり、犯罪行為に該当するような言動を投稿するなどして刑事事件に発展してしまうケースもあります。SNSが流行することで老若男女が利用し、安易な投稿も横行しています。そのような中で、前記のような犯罪にかかわるような投稿は論外ですが、そのような情報ではなくとも、ご自身の子どもやご自身を含めた家族を不幸にしてしまいかねない投稿があります。

それは、プライベートで撮影した家族写真等を投稿したものです。子ども可愛さについつい投稿してしまうこともあるのではないでしょうか。

同様の視点から私が過去にまとめた記事もありますが『将来子どもに叱られる!?SNSの危険な利用方法 ~子どもの肖像権、プライバシー権~』、法的観点の記載も多く読みにくい点もありましたので、本件記事を閲覧した方がすぐにでも意識を改めていただけるよう今回は要点をコンパクトにまとめたいと思います。

位置情報を削除した画像を投稿したからといって安心はできません

最近では、スマートフォン等で写真を撮ると位置情報が登録されることがあるということは皆さんにも認識されており、気を付けている方も多いと思います。

しかし、写真には位置情報だけでなく、様々な情報が含まれているため、場合によっては住所等を突き止められてしまう可能性もあります。

たとえば、子どもの入学式などの写真を投稿した際、学校名がわかればどのあたりに住んでいるかすぐにわかりますし、制服姿だけでもどの学校の制服か調べようと思えば調べることもできますので、居住地域は割り出せてしまいます。そのほか、名札が写りこんでいる、給食袋が写っていてそこに名前が書いてあるなど、ちょっとしたところからいろいろな情報が漏れてしまう可能性があります。

さらに、路上で撮影された写真であっても、背景にマンホールが写りこんでいれば、そのマンホールのマークで居住地域がわかってしまいますし(マンホールには通常市区町村のマークが彫られています)、電柱や自動販売機には住所が記載されていることが多いので、そのようなところから居住地域がわかってしまうこともあります。

このように、写真には様々な情報が含まれていますので、ご自身の子どもを撮影した写真を投稿する際は、背景にも注意していただいて投稿していただいた方がよいでしょう。

将来、投稿された画像を子どもが嫌がるかもしれません

子ども可愛さに、小さい頃の写真などをSNS上に投稿するということもよくあることだと思います。

そのような際に、子どもの裸の写真であったり、裸でなくても小さい頃の姿自体を成長した子どもが見たときに恥ずかしいと思うこともあるでしょう。その画像を友人に見られ、からかわれたりすることもあるかもしれません。

そのような場合、子どもの心に与える影響は計り知れません。法的な視点から言えば、子どものプライバシーを侵害していることにもなりかねません。

そうなってしまった場合、子どもとの関係が悪くなり、取り返しのつかないことになるかもしれません。すぐに削除すればいいじゃないかという考えもありますが、もしその画像が他の方に転載され、広められてしまったら削除するのも大変です。

子どもが可愛いのはわかりますが、そうであればこそ子どもが成長したときのことも考え、投稿するかどうか判断したほうがいいでしょう。

子どもは親のものではありません

少し怖いことを言いましたが、子どもも一人の人間であり、親のものではありません。成長するにつれて自我が芽生え、一人の人間として巣立っていきます。

子どもを守るのは親の責任です。親であるあなたが行った投稿により、子どもに将来どのような影響があるか、今一度よく考えてSNSを利用していただきたいと思います。

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