社員の私的なトラブルが会社に延焼してしまう
報道もされましたのでご存知の方も多いと思いますが、サッカー選手とモデルが宿泊したことをホテルの従業員がツイートしてしまった事例を始め、不動産仲介会社の社員、銀行の関係者、などなど、本来外部に発信してはいけない情報を従業員等がSNSで発信してしまうことで企業の信用が害されるケースは多く発生しています。
また、犯罪行為等を武勇伝のようにSNS上で公開するなどいわゆる「バカッター」などと呼ばれる炎上事例も多数発生しています。
「炎上」が発生した場合、ネット上では、この人物は誰なのか?という人物特定の作業がまず行われるのが通常です。その結果、友人や勤務先、内定先、学校名などが特定され、勤務先にもその影響が及ぶケースが増えてきています。従業員が私的に利用していたSNSは会社にとっては無関係ですが、私的な利用であるからといって会社が無関係ではいられない時代になってきているのです。
ネットリテラシーに関する社員研修は必須
ネット上で問題を起こしてしまうその根本的な原因はインターネット利用に関するリテラシーの低さが指摘できます。
ネットで問題を起こすのは若者というイメージがあるかもしれませんが、リテラシーについては体系的に学ぶ機会が少ないことから、世代に関係なくリテラシーが致命的に低い社員は一定数存在しいていることを忘れはいけません。経済産業省の50代のキャリア官僚が自身のブログへの不適切な投稿で処分された事例があったことを覚えているでしょうか?ベテラン層やエリート層がネット上では不祥事を起こしてしまうケースも多いのです。
よって、世代や職位に関係なく全社員を対象に、SNSやインターネット利用に関する研修・教育を行い、企業全体でリテラシーの底上げを図ることが重要なのです。
社員研修のポイント
3つの心構えの理解
まず初めに以下の3つの基本的な心構えを確認し、企業全体で共有することからはじめましょう。
[aside type=”warning”] 絶対に忘れてはいけない3つの心構え
- SNS・インターネットは公開の場である
- 匿名であっても個人特定は可能である
- 勤務先など必要以上に自分の個人情報を公開してはならない
[/aside]
問題となった事例は、まさに、この感覚が欠如しています。そして、逆にこの3点さえ忘れなければ、大きなトラブルは避けられます。
このように文章で書きますと、ごくごく当たり前のことです。当たり前のことが、当たり前にできないためにトラブルが発生するのがネットの怖さといってよいでしょう。よって、この基本的な意識を徹底して刷り込むことが最も重要な社員教育の目標となります。
参加型の研修で「自分ごと」に
では、当たり前のことをどのように理解させたらよいのでしょう?
あまりに当たり前のことですから、一方的な講義形式で説明しても、「そんなことは分かっている」と効果はえられません。
そこで、実際の事例を取り上げて参加者自身に「炎上」や不祥事を疑似体験させるケーススタディをお勧めしています。
問題発生後に企業が取った対応の問題点やトラブルを回避するためにはどのようにすべきであったかなどを、参加者自身が考え、議論することでリテラシーの向上を狙います。
【研修での質問例(芸能人の来店情報をツイートしてしまった事例)】
・なぜ非難が集中したのか?ツイートされた芸能人の立場で考えてみる。
・ツイートしてしまった社員のその時の気持ちは?
・なぜ勤務先や実名が特定されてしまったのか?
・抗議電話などに対し、会社としてはどのような対応をとるべきか?
研修のファシリテーター役は?
会社の公式SNSアカウントを用いて広報活動を行うなど高度のリテラシーが求められる職務を担当する社員がいる場合は、その社員のリテラシーの向上や再確認の意味も兼ねて、ファシリテーターを担当させることも企業にとっては有益かと思います。
また、社内に適切な人材が見つからない場合には私たちのような外部の専門家を利用するのでもよいでしょう。
これまでに実施したセミナー
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解決事例
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