ネットリテラシー

大人にもネットリテラシー教育が必要です!

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  • 執筆者:弁護士船越雄一
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【ネットリテラシー教育の重要性】

<インターネット上の誹謗中傷への対応に関する社会における関心の高まり>

 2020年になり、誹謗中傷に関する関心が一段と高まる出来事が起き、社会全体においてインターネット上の誹謗中傷について関心が集まり、議論が活発となっています。

 2020年8月7日には、総務省の研究会の一つである「プラットフォームサービスに関する研究会」において、「インターネット上の誹謗中傷への対応の在り方に関する緊急提言」と題して、インターネット上の誹謗中傷に対するプラットフォーム事業者による取組方針などがまとめられ、誹謗中傷に対する対応強化方針などが公表されました(総務省『「インターネット上の誹謗中傷への対応の在り方に関する緊急提言」及び意見募集の結果の公表』)。

 また、同年8月31日には、総務省の研究会の一つである「発信者情報開示の在り方に関する研究会」において、「発信者情報開示の在り方に関する研究会 中間とりまとめと題して、インターネット誹謗中傷に対する被害回復手段である発信者情報開示請求に関して開示対象として「発信者の電話番号」を追加する省令改正(同日改正)や新たな裁判制度の検討方針などに関する事項が公表されました(総務省『「発信者情報開示の在り方に関する研究会 中間とりまとめ」及び意見募集の結果の公表』)。

 さらに、同年9月1日には、上記2つの研究会からの公表事項を受け、総務省から、「インターネット上の誹謗中傷への対応に関する政策パッケージ」と題して、関係省庁や産学民のステークホルダと連携して早急に対応していくべき取組について、情報モラルやリテラシーに関する啓発の強化などにも触れ、方針等をまとめたものを公表しました(総務省『「インターネット上の誹謗中傷への対応に関する政策パッケージ」の公表』)。

 これまで、インターネット上の誹謗中傷に対して弁護士という立場で携わってきた者からすると、ようやくここまで来たかという思い(もっと早く動いてほしかったという思い)であります。

 表現の自由などの国民の重要な人権に関する事項であるため、慎重に事を進めていってほしいと思いますが、これから国民の意識を含め、大きく前進していってもらいたいと願っています。

<子どもたちだけでなく大人たちへのネットリテラシー教育も重要であること>

 総務省において、上記各事項の公表のほか、毎年のように「インターネットトラブル事例集」として具体的な事例などをまとめ、子どもたちへのリテラシー教育のための資料を公表してきています(2020年版の事例集)。

 私は、まだまだ数は少ないのですが、これまで子どもたちへのネットリテラシー教育として、学校での講演を行ってきました(『やってみた!子どもたちへのネットリテラシー教育の第一歩!』、『ネットリテラシー教育 パート2【講義スライド付き】』)。

 私は、講演において、子どもたちに対してインターネットの危険性などを伝えていく中で、子どもたちだけでなく、その親そして大人たちにもネットリテラシー教育が必要であると感じていました。インターネット上においてどのような危険が潜み、子どもたちがどのような危険にさらされているのか、親が理解できなければ守ることもできないからです。

 また、実際に誹謗中傷の問題で法律相談等されるケースは、加害者も被害者も大人であるケースがほとんどです。

 子どもだけでなく、大人も含めたネットリテラシー教育の必要性、重要性を社会全体で認識していただけるよう、ネットリテラシーの啓発に微力ながら協力していきたいと考えています。

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